絵本を出すその日まで
「大人が読む絵本」を作ろうと思っている。
実はもう、物語は出来上がっている。
私の好きな絵描きさんに、声を掛けさせてもらったばかり。
どうやらタイミングが合わないらしく、少し待たないとダメらしい。
だから、ゆっくりと待ってみようと思う。
きっと返事がくる時が、本を出すタイミングなのだから。
絵本の内容はひとことで言うと、「終活」。
人生を終わらせる時に、人はどうありたいのだろうか…
私のテーマの中から「生と死」は、いつも切り離せない。
寂しい、悲しい、冷たい、無…死のイメージはきっとそんな風。
だけど私にとって死というものは、どこか軽やかな旅立ちのようにも感じられる。
今までに、沢山の仲間が行ってしまった。
じゃあまたね。お先に。
彼らはある日突然、重くなった体を脱ぎ捨てて旅立っていく。
どこか懐かしい世界へと還る旅…私は今はただ、見守るしかない。
彼らの行くその先をなんとなく感じてはいても、
その時が来るまではまだそこへはたどり着けないのだ。
一歩踏み入れたとしても、きっとかえされてしまう。
心がどれだけ望んだとしてもだ。
だから私は、この世界で物語を描く。
あちらへの道しるべとなるように…
いや、きっと出発までにすることがあるだろうから
これはそう、旅立ちに向けてのエピローグだ。
いつかは誰にでもやってくるその日を、
しっかりとした心持ちで受け入れることができるように。
心良く、
笑顔でその日を迎えることができるように。